まとめノートを見れば頭の中がよく分かる~中学地理・東北地方の場合

昨年夏から数学の指導を始めた子(公立一貫校・新中3)は、数学の成績が学年でトップクラスに上がりましたが、他の科目が冴えず、全体成績が伸び悩んでいます。私も前から気になっていたのですが、この春休みを利用して学習法の改善に取り組むことにしました。

 

試しに学年末試験で範囲だった地理の「東北地方」について、ノート4ページ以内にまとめるよう課題を出してみました。昨日、ノート2枚にまとめられた「東北地方」が提出されたのですが、いろいろと問題点が浮き彫りになっていて、ノートを見れば大方の理解力が分かるというのは本当なんだなと改めて感じさせられました。

 

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まとめノートを見れば理解度がすぐ分かる!

字のきれい・汚いは問題ではありません。箇条書きの使い方や始める位置を見れば、情報を構造として考えることができているかが分かります。字下げの開始点があっちにいったりこっちにいったりで混乱していました。また、地理のまとめなのに地図が全く出てこなかったり、学年末試験の問題の復習もできていませんでした。また、色ペンを使って重要な点を見やすくする努力もできていませんでした。

 

今は授業が少なくて私も余裕があるので、東北地方を4ページにまとめるならこうやればよいという例を作ってみました。こうした作業は普段パソコン上でやってしまうので、シャーペンを持つ手が痛くなってしまいましたが、2時間かけて大急ぎで作ったのが↓です。

 

思わぬ謎解きも

私は東北地方に行ったことがなく、土地勘が全くないので、地理の情報をまとめる作業の中でいろいろと新しい発見がありました。先日の春場所で、尊富士関は新入幕ながら優勝を勝ち取るという偉業を成し遂げましたが、尊富士関は故郷青森県にいた頃から馬肉が好物で、場所前には実家から馬肉の差し入れがあるという逸話がニュースで紹介されていました。馬肉といえば熊本県が有名で、熊本の山間の道路を走っているとあちこちに「馬刺し」「桜肉」の看板が掛かっています。それで、青森県で馬肉というのは、私にはちょっと不思議な感じがしたのです。

 

今回、東北地方の産業を調べていたら、青森県や北上高地では昔から馬の牧畜が盛んだったことを知りました。その瞬間、青森県五所川原市出身の尊富士と馬肉が頭の中で繋がり、合点がいったのです。あと、都道府県の県庁所在地は海に面しているという先入観がありましたが(西日本の県庁所在地はたいてい海沿いにある)、福島県や山形県は内陸側にあったのが意外でした。

 

まとめノートは自分の頭の中を写し出す

Clearnoteという便利なサイトがあります。このサイトでは中1~高3の学生が自分のまとめノートを公開しており、わかりやすいノートほどアクセスが多くなる設計になっています。私もことあるごとに生徒にこのノート共有サイトを見るように勧めているのですが、きちんと活用している子は残念ながらほとんどいないようです。アプリ版の方が機能的に充実しているようですので、どんな風にまとめればよいのか見当もつかないという場合は、Clearnoteの人気ノートを参照するとよいでしょう。

 

私は昔から他人がまとめたノートやプリントは全く頭に入りませんでした。教科書や資料集を事細かに整理されたプリントを毎回配布する教科(地理)は苦手でしたが、レジュメも配布せず生徒に任せるタイプの先生が教える教科(世界史、他の同級生は一様に嫌っていましたが)は大切な箇所を自分でまとめざるを得なかったので非常に得意でした。まとめプリントをなかなか覚えられない人は、自分でまとめてみることを強くオススメします。

 

中高生が社会や理科などのまとめノートを作る際に気をつけてほしい点は、

  • 箇条書きを使って情報に構造を作る
  • 矢印を活用して原因と結果の関係を明確にする
  • 詰めすぎず適度な空白スペースを確保する
  • 少なくとも青、赤+一色の色ペンや色鉛筆を使い分ける
  • 詳しすぎてもよくない。1つの単元につき4ページかか5ページ以内を守る

です。冒頭の生徒にも同様のアドバイスを伝えていますので、来週の再提出時にはどれくらい改善が見られているか楽しみです。

 

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