はじめに
アメリカやイギリスの人気ドラマ・映画作品は有志が台本(Script)をネット上にアップロードしている場合が多いです。私も台本と照らし合わせることで数多くの生きた英語表現を学習してきました。昨夜は1年ぶりにHot Fuzzを見たので、Hot Fuzzの台本を見ながら、英語表現を一緒に学んでいきましょう。
Hot Fuzzとは?
日本語タイトルは『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン』です。2006年に公開されたイギリスの映画です。主人公のニコラス・エンジェルはロンドン警視庁でずば抜けた成績を挙げながらも、周囲の同僚や上司から活躍を疎まれ、携帯電話の電波も届かない田舎町Sandfordに強制異動させられます。その赴任先Sandfordでさまざまな困難を経験しながらも、ひるまず巨悪に立ち向かっていくというのが粗筋です。
いわゆる「スリー・フレーバー・コルネット3部作」の2作目にあたります。私は同じ制作陣による『Sean of the Dead』を初めて見てからの大ファンです。主演のサイモン・ペッグはこれらの作品をきっかけにして、『Mission Impossible』でも重要な脇役でレギュラー出演することになりました。
ちなみにfuzzとは英国でのスラングで警官を指します。したがって、タイトルのHot Fuzzは日本語のタイトルにもあるように「スーパー・ポリスメン」というニュアンスになります。Hot Fuzzの台本があるかどうかを調べてみたところ、https://indiegroundfilms.files.wordpress.com/2014/01/hot-fuzz.pdfから入手することができました。
この映画、10年以上にわたって毎年1回は必ず見ています。そのたびに新しい発見があり、本当に飽きないです。伏線を張り巡らせ、細かいところまで丹精に作り込まれた傑作コメディといってよいでしょう。
主人公のペルソナ
エンジェル巡査部長がサンドフォードに向かう車中の模様は以下のように描かれています。
電車の座席でユリ(Japanese peace lily)の鉢植えを小脇に抱え、リベラル系の高級紙「The Guardian」に目を傾けながら弁当のtofuを口にする。この場面だけで主人公が大変にsnobbish(鼻持ちならない)な野郎であることが見事に描写されています。
Little bird tells me that …
この表現は「ちょっと小耳に挟んだんだけど」というニュアンスの表現で、噂話を元に話を切り出すときに使います。
「あんた、噂じゃロンドン警視庁の武装機動隊にいたらしいね」
「誰がそんな噂を流しているんだ」
「アンディがあんたのこと、Google検索で調べたんだよ」
Jog on
英国でVサインを裏側に向けると(裏ピースサイン)、大変な侮辱の意味になるので注意が必要です。元々は英仏戦争時にフランス軍がイギリス軍捕虜の人差し指と中指を切り落とした(弓を引けないようにするため)という故事に由来しているという話を聞いたことがありますが、諸説あるようです。
この説に基づけば、裏ピースサインを相手に突き出すことは「やれるものならやってみろ」という挑発に他なりません。1990年代に一世を風靡したTrainspottingのポスターでも、一番左側の人物(Begbie)がこのサインを見せていますね。
アメリカではだいぶ異なった意味になるそうですが、やはり人前でこのしぐさを見せるのはやめておいた方がよいでしょう。
get brainfreeze, get brainwave
サンドフォードで見つけた相棒のダニーとエンジェルがパトカーの中でアイスクリームを食べているシーン。捜査に行き詰まったエンジェルの目が突然カッと見開いたので、横に座っているダニーが「どうした? brainfreeze(冷たいものを食べたときに起こる頭痛)でも起こしたのか?」と尋ねます。するとエンジェルは「brainwave(ひらめいたんだ!)だよ。警察署に戻ろう、今すぐ!」
元々brainfreezeは脳震盪を、brainwaveは脳波を指す言葉ですが、日常会話ではこのように使われているんですね。この返しは英語がきちんと聞き取れていれば非常に小気味よいです。それにしても、かき氷を食べたときの頭キーンはbrainfreezeっていうんですね。こういう機会でもないと覚えられないフレーズです。
まとめ
海外の人気映画やドラマは生きた日常会話表現がふんだんに盛り込まれており、台本と合わせて学習することで、理解を確かなものにすることができます。また、日本のアニメ作品を英語版で見るのも同じくらい参考になります。DVDを買うと多言語対応しているので、まずは粗筋を日本語翻訳で押さえておき、次に英語音声+英語字幕で視聴すると効果的です。
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