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難関高校受験は塾専用教材に一日の長あり

国立や私立の難関高校を受験しようと考えている中学生は、どのような参考書で学習を進めればよいのでしょうか。実は高校受験に関しては、一般書店で販売されていない塾用教材の方が出来がよいです。有名どころでは育伸社の「シリウス発展編シリーズ」、教育開発出版社の「新中問（発展編）シリーズ」、文理社の「実力錬成テキストシリーズ」が塾の上位クラスで採用されることが多い3大テキストです。このほか、SAPIXやZ会進学教室のように、塾が独自テキストを編集して生徒に配布するところもあります。

このクラスの問題集は公立高校受験生なら独自問題を出題する学校（都立日比谷高校、県立横浜翠嵐高校）、私立高校なら教科書レベルを明らかに超えている問題を出題する学校（開成高校、国立筑波大学付属高校、慶応大学女子高校など）を受験する中学生が主なターゲットです。中高一貫校の生徒から聞いた話ですが、とある学校が上記の問題集を傍用問題集として使用しているものの、授業の内容と著しく乖離しており、指定された課題を解くにも膨大な時間がかかるので、一部の保護者の間から苦情の声もあがっているという噂を耳にしました。

「難関高校に合格する！」という明確な目的意識がないと、これらの問題集を最後まで使いこなすことは難しいでしょう。

市販教材で固めるなら

しかし、塾用教材でないと難関校対策ができないのかというと、決してそういうわけでもありません。特に海外にお住まいの方が日本の高校に入学を考えているというようなケースもあるでしょう（もっとも帰国生枠を活用する手もあるでしょうが、中に入ってから大変に苦労するようです）。

理科と社会については、教科書より厚手の参考書を用意しましょう。定番なのは「自由自在」「総合的研究」です。これらの参考書は分からない問題があったときに解法を調べたり、知識を整理するために使用します。どちらを購入してもそれほど大差はありませんが、発展的な内容については、片方に収録されていてもう片方にはないという項目が意外と多いです。

問題集は基礎固めとして旺文社の「分野別問題集」を使用します。「近道問題集」も各科目の重要事項がコンパクトにまとまっていてお勧めです。

基礎固めが終わり、応用問題の腕試しにお勧めなのが、「最高水準問題集」「最高水準特進問題集」です。どちらも非常に難しい問題が収録されていますが、「特進」の方は「最高水準」よりも難問に磨きがかかっています。

数学に関しては、東京出版系で固めるのも一手です。月刊「高校への数学」やその増刊号・別冊問題集をいくつかご紹介しておきます。なお、増刊号や別冊はamazonで購入すると送料やプレミアがかかる場合もあるので、直接東京出版のサイトから通販で手に入れる方がオススメです。一度あたり4000円以上の購入で送料が無料になります（海外発送の場合は出版社にお問い合わせください）。私も中学生向けの授業で「目で解く幾何」3部作や「日々の演習」をよく使用していますが、地方だと東京出版社の本を書店であまり見かけなくなりました。

模試の過去問集も利用価値大！

首都圏の進学塾上位クラスの生徒は、駿台の「公開模試」を受験するのですが、この模試の成績が志望校を決定する上で非常に重要になります。非高校受験生が受ける模試の中では最もレベルが高い模試です。10年くらい前から公開模試の過去問集が発売されるようになりました。2025年受験用も5月末頃に出版されるのではないかと思います。なお、出版年度が違うと収録されている過去問の重複はないそうです。

SAPIXからも同様の「模試過去問集」が発売されています。SAPIXは首都圏を外れると駿台以上に知名度が低く、模試を受験しているのはSAPIX生限定という印象が強いですが、武者修行したい受験生にはちょうどよいでしょう。こちらはつい先日、最新の2025年度版が発売されました。

大分上野丘高校を目指すならオススメの問題集

私が実際に使用してみて非常によいと思ったのが、旺文社の「受験生の50%以下しか解けない差がつく入試問題集数学」です。公立高校の入試問題のうち、正答率が50%未満の問題を収録しており、全ての問題に正答率がついているのですが、一桁台の問題となるとかなり手こずります。この本、とある中高一貫校中2の夏休み課題に指定されていたので、私も一通りの問題を解いてみたのですが、教科書レベルの数学から次のステップに繋げる上で非常によくまとまっていると感じました。