高校数学の因数分解あれこれ~思わぬところで役に立つやつ

3次式の因数分解

先日、YouTubeの動画を見ていたら、高校数学、おそらくは数Iか数II冒頭に出てくる3次式の因数分解とその解き方の解説が出てきました。

$    (a+b+c)^3-a^3-b^3-c^3$

動画ではあまり見かけない解法で解いていたのですが、このタイプの因数分解は1つの文字、例えば$a$について降べきの順にまとめるのが定石だと思います。

$(\text{与式})=a^3+3a^2(b+c)+3a(b+c)^2+(b+c)^3-a^3 -(b+c)(b^2-bc+c^2)$

$  = (b+c)\{3a^2+3a(b+c)+(b+c)^2-(b^2-bc+c^2)\}$

$  =(b+c)(3a^2+3a(b+c)+3ab)$

$  =3(b+c)\{a^2+(b+c)a+bc\}$

$  =3(b+c)(a+b)(a+c)$

$  =\underline{3(b+c)(c+a)(a+b) }$

 

 

他にも$a^3+b^3+c^3=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)+3abc$と変形する解法も考えられそうです。この式は結果だけでなく次のように変形できることも押さえておきましょう。

$a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)$

$      =\displaystyle \frac12(a+b+c)(2a^2+2b^2+2c^2-2ab-2bc-2ca)$

$      =\displaystyle \frac12(a+b+c)\{(a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2\}$

この式変形は3つの正の数についての「相加平均・相乗平均の関係」(数II)を証明する際にも大活躍します。

 

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