ジェネラリストを目指せ
今から15年近く前になりますが、開成中学の生徒を2年間教えていたことがあります。当時は何かしらの専門性を持つことが重要とされ、各地の大学では教養学部が解体、早期専門教育が大学のウリとしてもてはやされていました。
開成の子との授業中、何かの拍子でその話題になり、私は次のような話をしました。
効率を求めるとその環境に特化した形や機能に自らを合わせていくようになるが、専門性に特化しすぎると前提となる環境がすっかり変化してしまったときに何もできなくなる、今の時代は特に社会環境の変化が著しいのだから、一つの専門性にこだわらず、ジェネラリストをこそ目指すべきだ。
すると、当時の開成中の校長先生も訓示か挨拶の折に同じ事を話しておられたそうです。
「夏の夜の夢」と「真夏の夜の夢」
シェークスピアの名作 The Midsummer Night’s Dreamは夏至の頃の夜に妖精が地上の世界に舞い降りてきて人間にいたずらをするというヨーロッパ各地の伝承を元に構成されています。北ヨーロッパでは今でも「夏至祭り」で盛り上がるところがあるようです。
この作品、当初日本では坪内逍遙によって「真夏の夜の夢」と訳されていました。midsummerを真夏と解釈したのですが、上記の知識を背景にしていると、このmidは真っ盛りという意味ではなく中間の意味合いで解釈すべきであることが分かります。そこで最近では「夏の夜の夢」と訳されることが多いようです。
私は他の言語ではどのように訳されているのか気になって、中国語と韓国語訳を調べたことがあります。中国語は《仲夏夜之夢》(仲夏とは6月頃を指す)で本来の意味を汲んだものになっていますが、韓国語は〈한여름 밤의 꿈〉で、どうやら坪内逍遙訳の「真夏」に影響されているように見えます。
このmidはクセモノで、日本人の英語学習者がmidnightを「真夜中」と勘違いしてしまうことでも悪名高いです。midnightはmidsummerと同じで、通常は午前0時頃を指します。
では午前0時ではなく「夜中」を表す英語は何でしょうか。far into the night(夜遅くまで何かが続くときに使う), in the middle of the night, in the dead of the nightあたりを使えるようになるとかっこいいですね。幽霊や不気味さのニュアンスを出したいときはin the witching hour(草木も眠る丑三つ時)がぴったりです。
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