全国公立高校の頂点に立つ日比谷高校
都立日比谷高校はかねてから東大合格者を多く輩出し、公立高校の中では知名度難易度ともに全国トップといっても過言ではないでしょう。私は日比谷高校生を何人か指導したことがあり、学校でどんな内容の授業をしているかもある程度把握しています。
昨年からなんと赤チャート導入!
ここ最近、日比谷高校の学生は数学の得点力が低いことが課題になっており、学校側はそれを打開するべく、昨年度の高校1年生からなんと「赤チャート」を補助教材として使い始めたそうです。赤チャートは私が高校生の頃は難関大学受験生の一部が好んで使っていましたが、入試問題の標準化と青チャートの充実化により、今では赤チャートを使っている受験生はほとんど見かけなくなっています。その結果が出るのは2026年入試ですが、私の印象だと赤チャート導入による底上げ効果はあまり出ていないような気もします(高1は先生がわかりにくい自作プリントを配布し、それを元に授業を進めているようでした)。
現行の「赤チャート」はかつてと比較すると難問掲載率が下がり、だいぶおとなしい中身になっているという話も聞こえてますが、大学受験では定番の「青チャート」を敢えて使わないあたり、先生方の自負がひしひしと感じられますね。
教科シラバスが独特!
日比谷高校では「教科カリキュラム」(シラバス)を公開しています。少し目を通しましたが、かなり独特です。癖の強い先生が多そうですね。
教育目標・カリキュラム
https://www.metro.ed.jp/hibiya-h/our_school/education.html
公共のページから。「推薦図書の著者は全て日比谷高校の先輩です」。伝統のなせるわざですね。
同じく公共のページから。「パレロワイヤル永山」「かねてこの国の政治を動かした金角や大沢、竹上など」って元ネタを知っている高校生はあまりいなさそうです。
このシラバスは高校1年生を対象にしたもので、高2と高3生用のものは公開されていないようですが、上級生の“公式な”学習計画も一度拝見してみたいですね。
理科は実験を数多く実施
ほとんどの進学校は、理科の実験をせずに座学だけで終わらせることが多いですが、生徒によると日比谷高校は実験の授業が非常に多いと話していました。例えば化学の授業ではニトロベンゼンの生成や滴定実験も行ったとのことです。滴定実験は実際にやってみると、呈色反応の見極めが非常に難くて厄介です。これが座学だけだとはなかなか伝わりません。その点で、日比谷高校は大変恵まれている環境だと思いました。
毎年そうなのか分かりませんが、化学は通常だと理論→無機→有機の順番で進むのですが、日比谷高校では有機→無機の順になっていて、有機を先に習っていました。そして高3春に「有機化学コンテスト」(名前が間違っているかも)という試験が実施されるそうです。その後、無機を済ませて化学を終わらせるカリキュラムでした。ただ、予備校が主催する模試は4月5月の段階で無機化学を範囲に含めているので、日比谷高校生は春の模試受験時に若干不利に働くかもしれません。もしも有機→無機の流れが今年もそうなら、受験生は注意が必要です。
日比谷高校の入試
東京都立高校は進学指導重点校(日比谷、戸山、青山、西、立川、国立、八王子東の7校)が数学・英語・国語に関して「自校作成問題」による入学試験を実施しています。自校作成問題は一般的な公立高校の入試問題よりも分量が遙かに多く、合格ラインを勝ち取るには相当な実力が必要です。日比谷高校作成の入試問題の過去問と解答は学校サイトで公開されているので、どのようなレベルの問題なのか閲覧することができます。
学力検査に基づく選抜 問題
https://www.metro.ed.jp/hibiya-h/guide/test.html
合格実績推移
今年の卒業生は高2の頃から模試などの成績が全体的に冴えず、高3春の段階で緊急の学年集会が開かれ、先生方から活を入れられたと聞きました。しかし下のグラフの合格実績推移を見ると、例年と比較しても決して遜色ないように思われます(おそらくは2023年卒業生の成績が非常に悪かったので、新高3担当の先生方の間に危機感が生まれたのでしょう。もしかしたら赤チャート導入政策とも関連があるのかもしれません)。
進路状況
https://www.metro.ed.jp/hibiya-h/career/course.html
日本の各界中枢に卒業生を多く送り込み、自他共に認める名門校の都立日比谷高校。その学び舎で得られる経験と人脈は何者にも代えがたいものでしょう。本当によい学校だと思います。
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