大分の学校選びがわかる本
地元のタウン誌が「学校が選びが分かる本」という季刊ムックを出しています。これまで毎号購入していたわけではないので詳細は不明ですが、手元にある断片的な号数とバックナンバーから類推すると、2月末に春号が、6月末に夏号が毎年刊行されているようです。こういう地域密着型のコミュニティ誌は意外にも使える情報が多く載っているので、地域密着の情報を得るには大いに役立ちます。
24年夏号の記事の中に、大分市内の各公立中学校からの大分上野丘高校、大分舞鶴高校など主要県立高校への進学者数が載っていて大変参考になりました。また、豊府中学校(中高一貫の県立校)への進学人数も掲載されています。私が中高生時代は「合同選抜制度」がまだ稼働していたのですが、当時と比較すると大分市内の高校受験進学状況は一変しており、特に大分雄城台高校の凋落ぶりは驚かされます(私が中学生の頃は大分雄城台>>大分豊府でした。それが今では・・・)。
大分大学附属中学校からの進学事情
記事によると、大分上野丘高校への進学者は大分大学附属中学校からの進学者が最も多く、年によって違いはありますが、概ね70人前後が進学しているようです。附属中の1学年は160人ですので、上位1/3なら上野当確ライン、真ん中あたりだと当落線上、100番以下は厳しいということが分かります。高校入試に際しては内申書の点数を無視できないので、附属中の下位1/3は県立高校受験においては不利に作用します。附属中から大分舞鶴高校へは15人進学ですので、大雑把に見積もって附属中の100番以内に入っていないと、上野と舞鶴は受験の選択肢から外れることになります。
大分西中学校の存在感
この3年間、大分上野丘高校に毎年2ケタの進学者を出している市立中学は、上野ヶ丘中学、滝尾中学、大東中学、大分西中学の4校です。生徒数が多い大在中学が伸び悩んでいるのは興味深いです(大在中学の上位層は場所の都合で大分舞鶴高校を選ぶ傾向があるようです)。先の4校の上野丘高校進学者数を全校生徒数で割ると、大分西中学校の実績が突出していることが分かります。実は「大分の学校選びが分かる本」24年春号で地元塾の担当者が上野丘高校進学者数が多い市内中学校として大分西中学校の名前を挙げていました。
よくよく考えて見ると、上野丘高校進学者数が多い学区には、学習塾もまた固まっていることが多いです。大分西中の傍には大分大附属小中学校があり、地元塾にも高学力層の生徒が多く集まりやすい環境が揃っているのかもしれません。西日本一帯の進学塾として根強い人気を誇る「能開センタ-」(私も中学時代に通っていました)が市内に7カ所の個別教室を運営しているのですが、その立地場所の選ばれ方がなんとも分かりやすいです。
私立の向陽中学校の場合
大分市内の小学生が私立の中高一貫校を受験する場合、向陽中学校か岩田中学校の二択になります。このうち、6年後の難関大学合格を強く意識するご家庭なら、少人数制で面倒見のよさをアピールする向陽中学を選ぶことになってしまうのも無理からぬことです。
私は向陽中学の子を教えたことがないので詳細な内情は分かりませんが、おそらくは学校の授業についていくだけで必要十分であり、家庭教師や塾に通う理由がないからでしょう。公開されているカリキュラムを見ると、中学2年末で中学内容を、高2末で高校内容を、それぞれ終わらせる設計になっています。首都圏の進学塾や進学校と比較するとやや遅い印象がありますが、何もかも早ければよいというものではありませんから、習った内容がどの程度生徒に定着しているかにもよってくるでしょう。また、大都市圏の難関中高一貫校が「ある程度完成した」生徒を集められるのに対し、地方の中高一貫校の場合はどうしてもトップ層ばかり入学というわけにはいきません。入学時に中位層の生徒の成績をどこまで底上げできたかという面で見る尺度が必要です。
同系列の向陽中学校から大分東明高校に進学する場合、特特進コースに入るので、おそらくは授業料が免除になると思われます。総合的に見て向陽中はコストパフォーマンスが高いです。私が子供を地元の学校に通わせるなら、向陽中→大分東明または附属中→上野丘高校の二択になります。もしも将来的に県内で就職するなら、人的コネクションが強い上野丘高校または舞鶴高校進学が好ましいですが、地元ネットワークにこだわりがないのなら向陽中は魅力的な進学先に映ります。
大分豊府高校の躍進
大分県初の県立中高一貫校として運営されている大分豊府高校。学校ができてからまた30年ほどの新設校で、私が中学生の頃は大分雄城台高校の次に位置する格でしたが、今では雄城台高校を完全に抜き去りました。この学校の生徒に学校の話を聞いたことがあるのですが、中学からの内部進学組と高校進学組は高2時点でクラスが一緒になり、それほど大きな違いは感じなかったそうです。これは見方を変えると中高一貫教育の良さを十分に活かし切れていないということでもあり、効率を考えると中学組と高校組は最後まで授業を完全に分けるか、高入生の受け入れを停止して一貫教育に特化するといった大胆な改革があってもようような気がします。そうでなければ、上野舞鶴の2強寡占状態はいつまでたっても崩すことができないでしょう。
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